室外機の取り外しは自分でできる?エアコン工事のやり方と必要な用具まとめ
2025/06/24
引越しやリフォームの際に直面するのが、エアコンの室外機の取り外し作業です。
「業者に頼むか、自分でやるか」「冷媒ガスの処理はどうすればいいのか」など、不安や疑問が尽きない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、室外機の構造や取り外しが必要な場面、自力作業と業者依頼の判断基準、そして作業手順や注意点まで、知っておくべき情報を網羅的に解説します。
安全かつスムーズに作業を進めるために、ぜひ参考にしてみてください。
目次
- 1.室外機取り外しの基本知識
- -1.室外機の構造と役割
- -2.取り外しが必要な主なケース
- -3.自力作業と業者依頼の判断基準
- 2.室外機取り外しの手順と注意点
- -1.必要な工具と準備
- -2.ポンプダウンの実施方法
- -3.室外機の取り外し手順
- -4.室内機との接続部の処理
- 3.室外機取り外しの費用と業者選定
- -1.取り外し費用の相場
- -2.業者選定のポイント
- -3.家電リサイクル法と処分費用
- 4.取り外し作業時の安全対策とトラブル回避
- -1.作業中の安全確保
- -2.再設置時のトラブル防止
- -3.処分時の注意点
- 5.まとめ
室外機取り外しの基本知識
室外機の構造と役割
室外機はコンプレッサーと熱交換器を中心に、冷媒ガスを循環させて室内機から熱を運ぶ要として機能します。
筐体内部にはファンモーター・基板・電線が集約され、外気との熱交換を効率化するため各部が密接に配置されています。
取り外し時は配管と電気系統の両方を適切に処理しなければ、冷媒漏れやショートが発生する可能性が高まります。
構造が把握できれば、どの箇所を工具で緩めるべきか判断しやすく、安全な作業手順を組み立てやすくなります。
取り外しが必要な主なケース
引越しや家屋のリフォームでエアコンを再利用する場合、室外機の取り外しが不可欠です。
また故障により本体交換を決めた際や、屋根置きから壁面・ベランダへ設置位置を変更する際も取り外しが発生します。
古い機種を処分して省エネタイプへ買い替える際は、家電リサイクル法に従って室外機を回収・搬出する必要があります。
さらに外壁塗装や足場組みで一時撤去が求められるケースなど、工事環境に合わせた柔軟な対応が求められます。
自力作業と業者依頼の判断基準
ポンプダウン実施や配管封止が問題なく行えるかが、自力作業可否の大きな分岐点になります。
高所設置・劣化した配管・専用工具不足などリスクが重なる場合は、専門業者へ依頼することで結果的にトラブルを回避できます。
一方、ベランダ設置で配管長が短く、六角レンチや真空ポンプを所有している場合は、手順を守れば個人でも安全に取り外し可能です。
費用だけでなく事故時の補償範囲や冷媒回収義務も比較し、総合的に最適な方法を選択することが重要です。
室外機取り外しの手順と注意点
必要な工具と準備
取り外しにはドライバー・モンキースパナ・六角レンチに加え、真空ポンプやトルクレンチがあると作業精度が上がります。
工具はサイズが合わないとナットを傷めるため、メーカー推奨寸法を事前確認しましょう。
配管を曲げないために養生マットを敷き、高所作業では脚立を水平に設置して足場を安定させます。
軍手や絶縁手袋を使用し、電源ブレーカーを切って感電リスクを除去することが基本です。
ドライバー、モンキースパナ、六角レンチなど
ドライバーは側面カバー固定ビスを外す際に使用し、先端形状が合わないとネジ頭を潰しやすい点に注意が必要です。
モンキースパナは配管ナットの緩め・締めに用いられ、柄が短いとトルク不足になり冷媒漏れの原因となるため適度な長さを選びます。
六角レンチはサービスバルブを閉じる際に必須で、サイズ誤差があるとバルブ角を痛める恐れがあります。
さらに真空ポンプを併用すれば再設置時の乾燥運転が不要になり、効率的にシステムを復旧できます。
いずれの工具も事前点検を行い、さびや摩耗がある場合は作業中の破損を避けるため交換を検討しましょう。
工具箱は作業動線の外に置き、転倒や落下を防ぐ配置が望まれます。
準備段階での安全配慮がスムーズな取り外しにつながります。
養生マットや脚立の使用
室外機を床に直置きすると振動で塗装が剥がれやすいため、取り外し時も養生マットでクッションを確保します。
マットには防滑加工が施された製品を選ぶと、雨天や結露による足元の滑りを抑制できます。
脚立は使用前に水平器で安定を確認し、天板に荷重をかけ過ぎないよう踏み面中央に体重を乗せるのがポイントです。
高所で片手作業になる場面では安全帯を併用し、万が一の転落に備えます。
壁面配管を外す際は脚立を室外機側へ15度程度傾けて配置することで、重心が内側に寄り転倒が防げます。
養生テープで配管口や電線を仮固定し、落下物が周囲に当たらないよう二次災害のリスクを軽減します。
このような下準備が完了して初めて、本格的なポンプダウンに移行できます。
ポンプダウンの実施方法
ポンプダウンは冷媒ガスを室外機に閉じ込める操作であり、再設置時の真空引き時間を短縮できます。
まずリモコンで強制冷房運転を開始し、サービスバルブから低圧側のガスを室外機へ戻します。
低圧ゲージが0MPa付近で安定したら高圧バルブを閉め、その後に低圧バルブを閉じて完了です。
作業全体は数分で終わりますが、ゲージ圧の読み違いがあると配管内にガスが残り漏洩の原因となるため注意が必要です。
冷媒ガスの回収手順
冷媒回収ではまず回収シリンダーを電子秤に載せ、重量が過充填にならないよう空重量を記録します。
次に回収ホースを室外機のサービスポートへ接続し、バルブをゆっくり開けてガスをシリンダーへ流入させます。
シリンダー温度が上昇すると圧力が高くなるため、水を張ったバケツで外面を冷却しながら圧力を制御すると安全です。
最終的に真空ポンプで配管を負圧にし、ホース内部の残留ガスを完全に抜き取ります。
回収量は機種ごとの冷媒充填量を参照し、漏れやオーバーチャージを防ぐよう調整が不可欠です。
作業後はシリンダーのバルブを閉じ、回収伝票に重量と日時を記載して適切に保管します。
この手順を守ることで環境汚染や違法排出を防ぎ、法令遵守の取り外しが実現できます。
強制冷房運転の活用
強制冷房運転はサービスコードを入力して内部制御を無視し、コンプレッサーを連続運転させるモードです。
短時間で低圧側冷媒を吸引できるため、ポンプダウン時の作業効率が大幅に向上します。
ただし外気温が低い冬期は高圧側圧力が不安定になるため、運転時間を30秒〜1分程度に制限する工夫が必要です。
リモコンがない機種では室内基板の強制ボタンを押下し、運転ランプの点滅でモード移行を確認します。
運転中はファンが高速回転するため、手や工具をファンガードに近づけないことが安全確保の基本です。
圧力が所定値まで下がったらすみやかにバルブを締め、運転を停止して電源プラグを抜きます。
強制運転を適切に使いこなすことで、冷媒管理の品質と作業時間のバランスが取れます。
室外機の取り外し手順
ポンプダウン終了後、側面カバーを開けて配管ナットと電源端子を確認し、工具が届きやすい角度に室外機をわずかに前傾させます。
配管と電源コードを順に外し、配管端にキャップを取り付けてゴミや湿気の侵入を防ぎます。
固定ボルトを上→下の順で緩めると筐体が急に傾くリスクが減り、安全に持ち上げられます。
最後に室外機を水平に保持したままベランダや床へ降ろし、配管保護テープで端部を封止すれば取り外し完了です。
側面カバーの取り外し
側面カバーは通常2〜3本のビスで固定されており、錆びている場合は潤滑スプレーを吹き付けてから緩めるとネジ頭の破損を防げます。
ビスを外したらカバーを手前に引き上げ、ファンケーブルを挟まないよう注意しながら取り外します。
カバー内部にはコンデンサや基板が露出するため、ドライバー先端が基板に触れて静電破壊を起こさないよう樹脂ガードを挟むと安全性が向上します。
外したカバーは傷付きやすいので、養生マットの上に置き、後の再組み立てでネジ紛失を避けるため磁石付きトレイで管理します。
この工程を丁寧に行うことで、後続の配管処理が視認性良好な状態で進められます。
配管と電源コードの処理
配管ナットは2本のモンキースパナを使い、配管側を支えながら室外機側のみを回す“ダブルレンチ”でトルクを逃がします。
取り外した銅管先端はキャップまたはビニールテープで封止し、湿気の混入による目詰まりを避けます。
電源コードは端子番号をスマートフォンで撮影し、再設置時に誤配線しないよう記録しておくと確実です。
コードを外した後は絶縁キャップで端子を保護し、ショート事故を防止します。
作業エリアを整理しながら進めることで、配管や電線の絡まりによる転倒リスクを低減できます。
室外機の固定ボルトの取り外し
固定ボルトは錆びで固着していることが多く、ラチェットレンチに延長パイプを装着してトルクを補うと緩めやすくなります。
外す順番は対角線上を意識し、片側だけ先に抜くと筐体バランスが崩れるため避けます。
ボルトを完全に抜いたらワッシャーを紛失しないよう、小袋にまとめて保管してください。
持ち上げる時は腰を落とし、膝の力で持ち上げると腰痛を防げます。
重量がある場合は二人で協力し、声掛けを行いながらゆっくり床へ降ろすと事故が起こりにくくなります。
設置面にゴムパッドが残っている場合はスクレーパーで剥がし、再設置時の水平調整に備えます。
取り外し完了後は配管端と電源線を本体にテープ固定して、一体化して運搬しやすい形にまとめましょう。
室内機との接続部の処理
室内機側ではドレンホース・銅管・信号線が壁際で束ねられているため、切断位置を誤ると再利用が難しくなります。
壁穴に近い位置で余長を残して切断すると、再設置時の配管引き回しが容易です。
据付板を外す際は軽量でも壁アンカーが固い場合があるため、プラスドライバーでネジを緩めた後、板を上下に揺らして抜きます。
取り外し後は壁穴をパテで一時的に塞ぎ、虫や雨水の侵入を防ぎます。
ドレンホースと銅管の切断
ドレンホースはカッターで真っ直ぐ切断し、切り口が潰れていると排水不良の原因になるため注意します。
銅管はパイプカッターを用い、回し切りでバリが発生しないようゆっくり締め込みながら切断すると再フレア加工がしやすくなります。
切断面に残った油分や水分はエアブローで除去し、酸化皮膜の発生を抑えます。
切断後すぐに銅管キャップを装着し、ゴミの混入を防ぐことが再利用時のガス漏れ防止に直結します。
ホースと管をまとめてテープで養生し、運搬時の折れ曲がりや擦れ傷を防ぎます。
この下処理を丁寧に行うことで、再設置後の排水漏れや冷媒漏れのトラブルを大幅に減らせます。
結果として冷媒補充や追加工賃の発生を抑え、作業全体の効率と安全性が向上します。
据付板の取り外し
据付板はビス4〜6本で固定されており、まず上部ビスを外して板を支えながら下部をゆっくり外すと落下を防げます。
壁紙に密着している場合はヘラを隙間に差し込み、壁面を傷つけないよう慎重に剥がします。
アンカーが壁内部に残ったときはラジオペンチで引き抜くか、ネジを少し戻してハンマーで軽く叩くと抜けやすくなります。
取り外した板は曲がりやすいため、再利用予定がある場合は段ボールに挟んで保管すると変形を防げます。
最後に壁穴の周囲を清掃し、パテで塞ぐか防虫キャップをはめ、安全に室内環境を維持しましょう。
こうした細部の処理が後日の再設置やリフォーム仕上げをスムーズに進める鍵となります。
壁面保護を徹底することで、クロス補修など余計な出費を抑えられます。
室外機取り外しの費用と業者選定
取り外し費用の相場
費用は作業環境や配管長に左右され、標準的な壁掛けエアコンなら工具持込のみの基本料金で収まることが多いです。
ただし高所作業や配管延長、冷媒回収証明書発行が必要な場合は追加費用が上乗せされます。
見積もりでは室外機の設置場所や搬出経路、家電リサイクル法対象の有無を具体的に伝えると精度が上がります。
目安だけで判断せず、現地調査込みで複数社を比較することが賢明です。
一般的な費用範囲
一般的には基本作業料に冷媒回収・ポンプダウン・撤去運搬が含まれています。
キャンペーンで取外し無料をうたう業者もありますが、配管再利用や化粧カバー撤去が別途になることが多いため内訳を確認しましょう。
料金体系は時間制より作業内容ごとの固定制の方が追加費が読みやすく、総額が後で膨らむリスクを抑えられます。
なおリモコン紛失や室内機クリーニングが含まれていない場合は追加オプション扱いになるため注意が必要です。
こうした費用を理解した上で予算と安全性のバランスを取ることが、納得感の高い選択につながります。
追加費用が発生するケース
最も多い追加費用要因は高所作業で、ハシゴや足場が必要な場合に安全管理費が加算されます。
また配管が壁内部で溶接されているリフォーム物件では、戻し作業用の銅管切断・再フレア加工に手数料が発生します。
ガス漏れ点検や真空引き作業を含むパッケージを依頼すると初期費用は上がりますが、再設置後のトラブルを抑制できるため結果的な総コストは下がることが多いです。
家電リサイクル券の発行手数料や収集運搬費も忘れがちな項目で、遠方回収の場合は距離で加算されるため注意しましょう。
見積書に「一式」としか書かれていない場合は、内訳を尋ねて透明性を確保すると安心です。
このように追加費用の仕組みを理解することで、契約前に適切なコスト管理が可能になります。
業者選定のポイント
選定時はエアコン専門業者・電気工事店・引越し会社のいずれが適しているか、作業範囲と保証内容で判断します。
口コミ評価や工事保険の有無、冷媒回収資格の保有状況をチェックすると品質の裏付けが得られます。
訪問見積もりで追加料金を明示し、作業後の破損補償が書面化されている業者を選ぶとトラブルが少なくなります。
最終的には費用だけでなく対応の迅速さや説明の丁寧さも比較し、安心感を重視すると失敗を防げます。
依頼先の種類と特徴
エアコン専門業者は取り外しから再設置まで一括対応でき、養生や動作確認までワンストップで行える点が強みです。
電気工事店は配線工事とセットで依頼しやすく、分電盤改修や電圧チェックまでまとめて相談できます。
引越し会社は搬出と運搬を同時に行えるため工程短縮になりますが、冷媒管理は外部委託の場合があるため委託先を確認しましょう。
それぞれの特徴を理解し、求めるサービスとコストのバランスで最適な業者を選定することがポイントです。
依頼前に実績写真や作業手順書を確認すると、技術力と安全管理体制が見極めやすくなります。
見積もりと追加料金の確認
見積書では「ポンプダウン含む」「運搬含む」など作業範囲を明文化しているかが重要です。
追加料金が発生する条件を事前に質問し、高所・配管延長・駐車料金などの項目が明記されているかをチェックしましょう。
口頭見積もりのみの場合はトラブルの元になるため、メールや書面で残すよう依頼すると安心です。
日程変更時のキャンセル料や天候不良時の延期対応も確認しておくと、急な予定変更でも費用リスクを減らせます。
この確認プロセスを踏むことで、作業当日に想定外の請求が出るリスクを低減できます。
家電リサイクル法と処分費用
室外機は家電リサイクル法の対象品目であり、引取時にはリサイクル券が必要です。
処分費用はリサイクル料金と収集運搬費から構成され、自治体の回収窓口または指定引取所へ持ち込む方法があります。
業者へ一括依頼する場合はリサイクル券発行を代行してくれるため、手続きの手間が軽減されます。
法令を守らないと不法投棄と見なされ罰則を受ける可能性があるため、正しいルートで廃棄しましょう。
リサイクル料金と収集運搬費用
リサイクル料金は機種・容量区分によって異なり、券売機または郵便局で支払う形が一般的です。
収集運搬費は業者ごとに設定され、距離や階段搬出の有無で変動します。
費用を抑えたい場合は指定引取所へ自分で搬入する方法がありますが、室外機を安全に運搬できるかを確認しましょう。
輸送中の転倒や冷媒残留による漏れに備え、縦積み厳禁・固定ベルト使用など運搬基準を守ることが求められます。
手続き完了後は控えとしてリサイクル券のE番号を保管し、処分証明として残しておくと安心です。
処分方法の選択肢
処分方法には買い替え時の家電量販店引取、自治体の粗大ごみ回収、指定引取所持込があります。
リサイクル対象外の部品がある場合は、金属スクラップ業者で有価買取が可能なケースも存在します。
引越し期日が迫る場合は業者回収が最短でスケジュール調整しやすく、手続きも一括で済みます。
一方、時間に余裕がある場合は自分で搬入することで収集運搬費を節約できます。
いずれの選択肢でも冷媒未回収のまま破棄すると法令違反になるため、取り外し後のガス封止を確実に行いましょう。
ライフスタイルとコストを照らし合わせ、自分に合った処分方法を選ぶことが大切です。
取り外し作業時の安全対策とトラブル回避
作業中の安全確保
感電防止のため主ブレーカーをオフにし、テスターで電圧がゼロを確認してから作業を始めます。
ファン回転部には手袋や袖口が巻き込まれやすいため、停止していることを二重確認します。
重量物を運ぶ際は腰より膝を使い、持ち上げる動きを小刻みにして体への負荷を分散させましょう。
作業エリアをロープやコーンで区切り、第三者の立ち入りを制限することで接触事故を防げます。
感電や火災のリスク対策
室外機の端子台は静電気でも火花が飛びやすく、必ず絶縁ドライバーを使用してネジを緩めます。
外した電線は絶縁キャップで端末処理し、隣接する金属部と接触しないようテープ固定します。
屋外コンセントが雨滴に濡れている場合は乾燥させてから作業し、湿気による漏電を予防しましょう。
また、ポンプダウン中にコンプレッサーが発熱するため、周囲に可燃物を置かないことが重要です。
火災警報器が近くにある場合は誤作動防止で養生テープを軽く貼り、粉塵や熱風を直接当てない工夫も有効です。
こうした基本動作を徹底することで、感電・火災リスクを大幅に低減できます。
安全第一の姿勢が最終的に作業品質向上へとつながります。
重量物の取り扱い注意点
室外機は20〜40kg程度あるため、持ち手側と支え側で役割を決めて同時に持ち上げるとバランスが安定します。
運搬時はルート上の段差や狭い通路を事前確認し、滑り止め付き手袋でグリップ力を確保します。
キャスター台車を使用する場合は車輪ロックをかけ、室外機を載せた直後に重心が動かないよう固定します。
壁面やサッシ枠にぶつけるとアルミフィンが変形し性能低下を招くため、角を保護材でカバーして衝撃を吸収しましょう。
屋外階段を下ろす際は2段ごとに停止し、声掛けでタイミングを合わせると落下事故を防げます。
このような慎重な搬出が再設置後の性能維持にも大きく寄与します。
結果として修理費用や交換コストの発生を未然に防げます。
再設置時のトラブル防止
配管再利用を想定する場合は銅管端面のキャップ封止を徹底し、内部腐食を防ぎます。
電線は色と番号を合わせてテープ表示し、接続ミスによる室内機動作不良を回避します。
再設置前に真空引きと漏れチェックを行うことで、冷媒不足や湿気混入を未然に防げます。
これらの下準備が完了していれば、取り外しから再設置まで一連の作業を通じて安定した冷房性能を維持できます。
配管や電線の損傷防止
配管を曲げる際は最小曲げ半径を守り、銅管に亀裂が入らないよう一気に折り曲げないことが重要です。
化粧カバーが再利用できる場合はビス位置を記録し、切欠き寸法を変えずに戻すことで防水性能を維持します。
電線は被覆に切り込みを入れすぎないようストリッパーを活用し、導体を露出させ過ぎないことがポイントです。
壁貫通部に発泡ウレタンを充填する際は配管に直接触れないようスペーサーを入れ、熱膨張による圧迫を避けます。
こうした損傷防止策により、再設置後の水漏れ・ショートといった二次トラブルを防ぎます。
冷媒ガス漏れの防止策
フレア接続ではトルクレンチを用いて規定値で締め付け、過大トルクによる割れや不足トルクによる漏れを防ぎます。
再設置後に発泡スプレーで接続部の泡検査を行い、微細な漏れも見落とさないよう確認します。
パテで壁穴を塞ぐ際は配管根元を押し過ぎないよう注意し、振動でパテが剥がれたときに銅管が動かないよう固定バンドを併用しましょう。
冷媒追加充填はメーカー指定量を電子秤で計量し、過充填による高圧カットトラブルを回避します。
これらのプロセスを徹底すれば、長期的なエアコン性能維持と省エネ運転に直結します。
結果として光熱費を抑え、快適な室内環境を継続できます。
処分時の注意点
不法投棄は法律違反だけでなく、冷媒放出による環境汚染を引き起こすため厳禁です。
処分の際は家電リサイクル券を購入し、指定引取所または許可業者へ渡すことで適正処理が行われます。
室外機を一時保管する場合は直射日光と雨を避け、冷媒残留による内部圧力上昇を抑える必要があります。
このような手順を守ることで、法律と環境保護の双方を満たした取り外し作業が完結します。
不法投棄のリスクと対策
不法投棄は罰金や刑罰の対象になり、発覚すると処分費用以上の大きな負担が発生します。
発見場所が山林や河川の場合、回収費用を行政に請求される可能性もあり、経済的リスクは高まります。
対策としては業者選定時に産業廃棄物収集運搬許可証の提示を求め、適正処理が保証されているか確認する方法が有効です。
家庭で一時保管する際も、第三者が持ち去って不法投棄しないよう玄関内や倉庫内で管理しましょう。
こうした対策が違法行為の回避と環境保護の両立に寄与します。
結果として安心してエアコン工事を完了させることができます。
適切な処分方法の選定
適切な処分方法にはリサイクル券利用のほか、自治体粗大ごみ受付センターを通じた戸別回収があります。
戸別回収は日時指定ができるため、引越し前後でスケジュール調整しやすい点が利点です。
家電量販店の引取サービスは買い替えと同時なら運搬費が抑えられ、ポイント還元がある場合もあります。
スクラップ業者へ持ち込む際は冷媒完全回収が証明できる書類を提示し、環境基準をクリアしている事業者か確認しましょう。
いずれの方法でも領収書やリサイクル券半券を保管し、後日の証明に使えるよう整理しておくことが重要です。
法令を遵守した適切処分が、安心・安全な取り外し作業の総仕上げとなります。
環境にも配慮した選択を行い、持続可能な暮らしを実現しましょう。
まとめ
室外機の取り外しは、正しい知識と準備があれば個人でも対応可能な作業です。
ただし、工具の選定や冷媒ガスの扱いには注意が必要であり、安全性や再設置のことまで考慮する必要があります。
無理に進めず、状況に応じて専門業者の手を借りることも一つの賢い選択です。
この記事を通じて、自分に合った方法を見極め、トラブルなく取り外し作業を進めていただければ幸いです。
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